防衛施設誘致
令和5年6月一般質問
1.国の研究所誘致について
(1)国の研究所誘致を働きかけてはどうか
【質問】***1.国の研究所誘致について
呉市は120周年を迎えました。呉は昔神武天皇がお立ち寄りになられ、朝鮮半島との交流があった歴史ある町です。上下水道もほぼ整備され、呉市はできあがった町、完成された町と言えるのではないでしょうか。近年3つの大きな災害を受けましたが、復興に向けて大きく進んでおります。
これから呉市が向かう道は蓄積された技術で日本に恩返しし、世界に貢献すべきと思われます。
ローカルアベノミクスのまち・ひと・しごと創生基本方針2015で中央省庁・研究機関の地方移転の方針が出されました。東広島市には酒類総合研究所と理化学研究所を誘致しました。岩国市は防衛装備庁艦艇装備研究所、岩国海洋環境試験評価サテライトを誘致しました。資料によると、国内の水中無人機分野の技術向上をうたっています。今後、岩国市は日本の海洋開発の一翼を担うでしょう。
ここで、技術で国に貢献するために、機会があれば国の研究所誘致を検討すべきと思いますが、市の考えをお尋ねします。
これから降壇して質問します。
【答弁】国の研究所の誘致についての質問でございます。議員ご案内のとおり,「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」では・政府関係機関の地方移転の方針が打ち出されており・令和4年に国が策定した「デジタル田園都市国家構想総合戦略」においても移転対象となっている研究機関・研修機関等の地方移転について・着実な取組を進めると示されております。
呉市と致しましても,このような国の動向や呉市経済の活性化の観点から,国の施策・予算についての要望の中で・国の機関等の移転の検討として,地方都市再生の先駆けとなる政府系機関や研究機関,大学等の移転傾致の検討を要望しているところでございます。
国の研究機関の誘致につきましては,今後も・国の動向等について十分に情報収集に努めてまいりたいと考えております。
【提案】大変前向きな答弁ありがとうございました。防衛装備庁の艦艇装備研究所は目黒区にあります。東京のど真ん中の水槽で研究するより、海の波と海中音波の研究なら海岸線が入り組んだ瀬戸内海の方が研究成果が出ます。岩国市のように艦艇装備研究所分室を呉市に誘致をお考え下さい。
蒲刈向の埋め立て地に防衛省の研究施設を誘致できれば、防衛省特定防衛施設周辺整備調整交付金の対象になるかもしれません。橋梁も補助対象に入っていますので、安芸灘大橋が無料になる可能性があります。
呉市は戦前、日本一の航空機技術を持っていました。アメリカより先にジェット戦闘機、ロケット戦闘機を実用化しました。今でも日本の飛行艇技術は世界トップです。呉市でまとまった土地が手に入れば飛行艇研究開発が最適と思います。
平成12年12月代表質問
防衛施設誘致について
今月2日に開通した小坪1丁目39号線、建設費13億円の 3/4は防衛庁の補助金です。宝町旅客ターミナルは防衛庁から10億円補助していただきました。毎年いただく基地周辺整備費は、平成11年度10億円になりました。自衛隊による呉市の経済効果は400億円といわれております。法人税収入が3割近く落ち込む中、防衛庁による大きな刺激をいただくことが、呉市の活性化に最も効果のある方法だと思われます。
岩国市は米軍滑走路を沖に出し、跡地に防衛庁の航空研究所を誘致し、航空産業に進出する案があります。
呉市は海事博物館を造り、過去の栄光を展示されるようですが、防衛庁の海事に関する研究所を呉市に誘致し、造船の町を復活させる方法もあると思われますが、いかがでしょうか。
海事博物館に展示予定の「やえしお」は、呉市で建造されたものではありません。そもそも造船の町といわれながら、護衛艦一隻も造っていません。一隻1300億円の護衛艦を建造すれば、呉市に大きな経済効果が期待できます。護衛艦か、輸送艦からでも呉市で建造していただけるように働きかけるべきと思われますが、市の考え方をお尋ねします。
答弁
P.44
◆12番(岡崎源太朗議員) (続)次に、防衛施設誘致について質問いたします。
今月2日に開通した小坪1丁目39号線、建設費13億円の4分の3は防衛庁の補助金です。宝町旅客ターミナルは防衛庁から10億円補助していただきました。毎年いただく基地周辺整備費は、平成11年度10億円になりました。自衛隊による呉市の経済効果は400億円と言われております。法人税収入が3割近く落ち込む中、防衛庁による大きな刺激をいただくことが呉市の活性化に最も効果のある方法だと思われます。岩国市は、米軍滑走路を沖に出し、跡地に防衛庁の航空研究所を誘致し、航空産業に進出する案があります。呉市は、海事博物館をつくり過去の栄光を展示されるようですが、防衛庁の海事に関する研究所を呉に誘致し、造船のまちを復活させる方法もあると思われますが、いかがでしょうか。海事博物館に展示予定の「やえしお」は呉市で建造されたものではありません。そもそも「造船のまち」と言われながら護衛艦1隻もつくっていません。1隻1,300億円の護衛艦を建造すれば呉市に大きな経済効果が期待できます。護衛艦か輸送艦からでも呉市で建造していただけるように働きかけるべきと思われますが、市の考え方をお尋ねします。
質問は以上です。心温まる御声援誠にありがとうございました。(拍手)
◎市長(小笠原臣也) 岡崎議員にお答えいたします。
2番目の項目の防衛施設の誘致について、2点の質問がございました。
まず防衛庁の研究施設の誘致についての御質問でございますが、早速私どもいろいろ調査をしてみました。議員御指摘の研究施設は、防衛庁技術本部と5つの専門別研究所がございまして、いずれも首都圏に設置されております。その中で海事に関する研究としては、東京都目黒区の第1研究所の第4部で船舶の運動性、構造などが研究され、神奈川県横須賀市の第5研究所では音響器材、磁気器材等の研究が行われておるところでございます。
国の試験研究機関の誘致は、もとより望ましいことではございますけれども、第1研究所は、陸・海・空自衛隊すべての研究を一元的に行っておりまして、その一部である船舶研究機関機能だけを移転いたしますことは、国の行政改革の視点から見ても困難ではなかろうかというふうに考えられます。
次に、議員の期待されております防衛研究機関誘致がもたらす民間への技術波及効果に関しましても、いろいろ私ども調査してみましたけれども、実は防衛庁が行政改革会議のヒアリング資料、これは平成9年6月11日に出しておりますけれども、この中でこういうふうに言っております。「我が国は、可能な限り民間技術力を活用して防衛に関する研究開発を行っており、研究開発効果の民間への提供は基本的に想定しがたい」という説明でございます。このことから、誘致した防衛技術の民間転用への効果はそれほど期待できないのではないかというふうに考えております。
しかし、それ以外の国の施設の誘致等につきましては、呉市の活性化につながるわけでございますので、今後とも積極的に取り組んでまいりますので、防衛庁関係のみならず情報がございましたらいろいろ教えていただきたいと思いますし、働きかけに御協力を賜りたいと思います。
それから、第2番目の呉市での護衛艦建造へ働きかけをすべきではないかという御質問でございます。
御案内のように、造船は呉市の基幹産業の一つでございまして、岡崎議員御指摘のように、艦艇を建造すれば大きな経済効果が期待できるわけでございます。そういった観点から、呉市におきましても過去にそういった要望をしてまいりました。最近では平成8年12月に、「艦船建造及び修繕等の地元発注について」という要望書を、呉市、呉市議会、呉商工会議所の連名で防衛庁長官ほかに出しております。
しかしながら、近年の造船業界を取り巻く環境は、御案内のように誠に厳しいものがございまして、韓国との受注競争をにらみ、大手企業間の統合、再編へと動いておるのが実情でございます。そうした中で、石川島播磨重工におかれましても、住友重機械工業と艦艇部門をIHI横浜工場に統合することが決まっておりまして、呉工場においては商船部門を扱うというふうに聞き及んでおります。なお、建造は今のような状況でなかなか難しいとしても、艦艇の修繕等につきましては、従前より呉地域の造船所で実施しておりまして、これまで年間約30億から40億円の実績がございますので、これについてはもっと増やしていただくようにお願いする余地は十分あろうかと思っております。
こうした造船業界の生き残りをかけた統合、再編は、来年秋に向けて効率化、コスト削減、機能分担などあらゆる模索が現在も続いておるわけでございまして、艦艇の建造という問題を超えて、我々としては今後も十分注意深く見守って、呉市に悪い影響がないように取り組んでいきたいと思っておる次第でございます。