大学との連携



令和4年6月代表質問
1.産官学連携による産業振興について
(1)産官学連携による産業振興の現状
【質問】 新原市長におかれましては天応地区の復興に際し,住民の意見を聞くワークショップを5回と東京大学による研究チーム・東京大学復興デザイン研究体で復興計画を立てられました。都市計画・グラウンドデザインを大学の研究所で設計してもらう取組は画期的である先進的であると考えます。
 特に産業分野においては、新型コロナウイルスの対応や脱炭素社会の実現に向けて産業構造に転換していくため,産業界,行政,大学等,様々な主体が連携した取組は,今後ますます重要になってくると考えています。
 呉市においては,これまでも産官学が連携した取組を行ってきたことと思いますが,東広島・呉道路の開通による広島大学や研究機関がある東広島とのアクセスが向上して以降,連携するための条件は整っているものと考えています。
 また,呉市においては第5次呉市長期総合計画の前期基本計画の産業分野において,多様な人材の交流や先端技術の集積によるイノベーションを誘発するため,大学・研究機関等の誘致を目指しておられることから,呉市は,産業分野における産官学連携は重要性であると認識されていると理解しています。
 呉市の産官学による産業振興について現状と取組を教えてください。

【答弁】
 産業振興を進めていく上で,市が間に入って大学等と産業の連携を図ることが,大変重要であることは,私も同意見でございます。
 呉市におきましては,このことを念頭に置き,令和3年3月に策定いたしました「第5次呉市長期総合計画」では,市が間に入って大学等と産業の連携を図ることが非常に大切であることから,「市民や企業,高等教育機関などの多様な主体が持つ強みや特性を生かし,市役所すなわち市の職員が共ぐに取り組む」という,分野横断的な視点を持ち,各施策を推進することとしております。
 特に産業分野におきましては,このような考えのもと,例えば「呉市中小企業・小規模企業振興会議」では,商工会議所を始めとした産業界や広島大学などの教育機関,市役所が一緒になって,議論を進めて参りました。
 令和4年度は,「脱炭素」をテーマに,呉市の産業構造を踏まえた「脱炭素社会に対応するための経営基盤の強化」に向けた調査・研究や具体的な施策などについて,産業界,大学や高専などの教育機関,それに我々市役所がそれぞれの視点から議論を進め,脱炭素社会の実現に向けた世界的な課題を新たなビジネスチャンスとして,取り組んでいくこととしております。
 また,くれ産業振興センターでは,中小企業と大学等との共同研究,委託研究等の費用助成や,令和2年度に立ち上げたBit’s呉による講演会や各種セミナーを通じて,大学等が保有するシーズを広く,呉市内の企業へ紹介するなど,イノベーションの促進を図る取組を行っております。
 現在,呉市におきましては,新型コロナウイルス感染症の拡大や,来年9月に迫っている日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区の全面休止,市内大型事業所の再編への対応などが,喫緊の課題となっております。
 これらの課題を乗り越えるためにも,今後も更に,産業と教育機関との連携を市が間に立って取組を進め,中小企業・小規模企業を始めとする市内企業が,自助努力と創意工夫により,新しい付加価値を生み出すことで,呉市の産業振興を図っていきたいと考えております。

(2)産業分野での大学との連携状況
【質問】呉市の将来を見据え,今後いろいろと検討していかれると聞いて安心しました。
是非とも積極的に取り組んで頂きますようお願いします。
 さて次に大学との連携についてお尋ねします。
呉市はオープンカレッジネットワークなど、周辺9つの大学との取り組みを行っていると思います。
 まずはこの9つの学校としっかり連携を取ることが必要と思われますが、この9つの学校と現在連携の取り組み状況についてお尋ねします。

【答弁】これまでの取組状況についてお答えします。
 まず,呉市周辺の9つの高等教育機関との連携でございます。呉市では,平成12年に「呉地域オープンカレツジネットワーク会議」を立ち上げ,これらの高等教育機関が持つ,人材などのソフト資源や土地・設備一施設などのハード資源を有効に活用し,呉地域を一体化するまちづくりを進めております。
 令和3年度においては,各高等教育機関の教員と学生がグループで取り組む「地域活性化研究」に3件,また,学生自らの夢の実現とともに,呉地域の活性化を目指す「学生の夢実現プロジェクト」に,5件の助成を行っております。
 これまでの研究の中には,カキ殻表面の微生物を分析し,食中毒の危険性を下げる研究や,水素水等を活用し,柑橘の品質を長期間保持できるようにする研究など,地域産業の振興につながる活動もあります。
 次に,産業分野での連携でございます。先ほど市長から,くれ産業振興センターBit’s呉の取組を紹介いたしましたが,このほか,「医工連携の推進」について紹介させていただきます。
 本年度から,くれ産業振興センターに医工連携アドバイザーを増員し,取を始めた医工連携事業は,中小企業の高度な技術と充実した医療福祉等の機関が集積している呉市ならではの新たな事業展開が期待されるところでございます。
 この連携の枠組みには,呉工業高等専門学校にも参画いただいており,今後,更に多くの大学などの教育機関に参画いただけるよう働き掛けるなど,取組を進め,産官学連携による産業振興を図っていきたいと考えております。

(3)経済ネット会議の開催
【質問】これまでの取り組み状況について理解しました。
 さて,これまでも先ほどの答弁のようと連携を取られてきたことと思いますが,コロナ禍ということもあり,産官学が更に連携を密に取るためには,ウェブによる会議も必要であると思われますが,市のお考えをお尋ねします。

【答弁】
 ウェブ会議つきましては,先ほど答弁いたしました,中小企業・小規模企業振興会議をはじめ,講師などとのミーティングなどにも,既に活用しております。
 −方,ウェブ会議は,通信環境に大きく影響されることや,複数人が同時に発言した場合,聞き取りにくい,表情や雰囲気が読み取りづらいなどのデメリットの声も伺っております。
 これは産官学連携に限ったことではございませんが,扱う情報や,会議の内容,参加者数,緊急性,重要性,秘密性などを総合的に勘案し,ウェブ会議も効果的に活用していきたいと考えております。



1.大学間の連携
(1)大学間の連携について
呉市には国際大学と呉大学があ.る。短期大学、呉高専も区分上は大学だ。海上保安大学をあわせると、呉市には5つの大学があることになる。さらに視野を広げれば、東広島市には広島大学、国際大学、近畿大学がある。
これら8つの大学と西部工業技術センターを連携させることができれば、世界でも有数の頭脳集団ができるのではないか。
2万人の学生と2万台のコンピューターが作り出す世界は世界の流れを変える。
 呉市は広島中央テクノポリス構想の母都市として技術開発の中心的役割をあたえられている。また呉市はテクノコリドールを完成させなければならない。
しかしながら、国立の大学と私立の大学、県の技術センターの連携を取っていくことは容易ではない。呉市には任の重すぎる仕事だ。しかし、呉市が推進しなければ、進むことはない。
 ここで質問します。
 これまで行政区を越えて大学連携のために動いてきた実績や成果、並びに今後の展望等あれば示してほしい。

(2)光ケーブルによる連携について
 次にただ単に行事の連携だけでは一体化とはいえない。
無線や一般電話回線、光ケーブルによる大学間の接続が大きな成果を生むものと思われる。
幸い7つの大学が国道375号線沿いにある。
県の光ケーブルも国道375号線沿いに張ってある。この県の光ケーブルの一部を借用できれば、支線を延ばすだけで各大学が接続できる。
県の張った光ケーブルの中は100本の通信線からなっていますが、このうち半分くらいは使用していないとの情報がある。必要なのはこのうち2本だけだ。
一部は呉市がすでに借用しているものもある。
県の光ケーブルを借用し、大学連携ができないか。


答弁 大学は地域の人材・知識が集積する知の拠点であり,大学間連携を推進し,この知の拠点を活用・活性化することは,地域が抱える多くの課題の解決に寄与するだけでなく,人材や地域活力の創出につながるとともに,ひいては,地域間競争における呉市の優位性をもたらすものと認識しているところです。
 このため,近隣の大学と結成した「呉地域オープンカレッジネットワーク会議」の活動や,包括的連携協定締結校である広島大学との共同研究などにより,大学と地域との連携,大学間相互の連携に努めているところです。
 また,大学間の連携が活発化することにより,あるいは研究が高度化することなどにより,御質問の光ケーブルをはじめ,大学間の情報ネットワーク環境について支援のニーズがあるときには,真摯に対応してまいります。
 いずれにいたしましても,今後とも,大学間連携を積極的に進め,地域課題の解決や総合的なまちづくり施策等を中心に,大学の力を活用したまちづくりを進めてまいります。


再質問 
 国道375号線沿いに張った光ケーブルは、2400メガビット。朝刊一年分の情報をを4.8秒で伝送する能力があります。
活用が期待されます。
 常温超伝導の研究を西部工業技術センターでしています。もしこの研究に2万人の学生と教授が参加したら、現実味を帯びてくるのではないでしょうか。ノーベル賞も近いと思います。今後ともネットワーク作りにお力添えをお願いします。