ファッションタウン構想




平成13年9月代表質問
3.ファッションタウン構想
◆(岡崎源太朗議員) 3番目にファッションタウン構想についてお尋ねします。
 「ファッションタウン構想」とは地域の生活文化産業の物づくりと、生活文化を生かすまちづくりとを一体にして活力ある生活圏をつくる構想です。当初は通商産業省から繊維業活性化対策としてスタートした事業ですが、現在では繊維産地にとどまらず、全国で20以上の都市・地域が推進に取り組んでいます。呉市の近くでは、倉敷市児島地区で取り組んでいます。児島地区は1,800の企業を抱える8万人の学生服で栄えた都市です。長期の不景気に見舞われ、何とかしたい一心で取り組んだ事業です。多くのボランティアがファッションタウン推進協議会に参加し、様々な提案がなされました。トライアスロン競技会には3,500名のボランティアが集まりました。空き缶拾いやごみの徹底分別などが自発的に実施されています。市民ができることは市民がやっていこうと、美術館も職員にかわってボランティアを配置する計画があります。委員会や議会の傍聴には学校の先生や学生が来るようになったそうです。推進協議会に参加する人が増えすぎ、好き勝手な提案をまとめていく強力なリーダーの養成が必要になったという悲鳴も聞きました。まちづくりを市民に参加していただいて、まちをおしゃれにするファッションタウン構想について取り組む考えはないのか質問します。


◎市長(小笠原臣也) 岡崎議員にお答えいたします。
 3つ目の項目でファッションタウン構想について御質問がございました。ファッションタウン構想は岡崎議員御指摘のとおり、もともと繊維産業の振興を目的として産地再生の試みと地域活性化の運動という視点から打ち出されたものでございまして、その後物づくりとまちづくりが一体となった個性的なまちづくりを、住民参加のもとで推進する運動というふうに広い運動に発展したものでございます。市民参加というこれからの潮流を考えていきますときに、その運動の考え方は大変すばらしいものだというふうに思っております。物づくりのまちとしての歴史を持ちます呉市は、既にファッションタウン構想と構想を同じくする施策を進めておりまして、その一つの例といたしまして企業、国の機関等の協力をいただいて市内にある企業の施設見学や海上自衛隊の艦艇、産業技術総合研究所呉センターの水理模型などの施設を学びの観光素材として活用する「産業観光」の推進を図ってまいっておるところでございます。これからのまちづくりには市民参加が必要不可欠なものであり、呉市におきましても、これまで例えば呉ポートピアパークをオープンをさせ、その後運営していくことについても市民参加で進めてまいりましたし、呉地域オープンカレッジネットワーク会議の大学生による地域活性化研究とか、あるいはまちづくり活動企画コンペ事業、公園整備や男女共同参画に関する条例制定に向けてのワークショップ、ふれあい花壇、森林ボランティア育成など多くの施策を推進しているところでございます。また呉市を訪れた観光客を案内する「観光ボランティア」や全国的にも有名になりました「肉じゃがの会」など、市民による自主的な活動も活発になってきております。呉市は来年度市制100周年を迎えますが、100周年事業の実施に当たりましては、当初から市民参画型で事業を推進をしておりまして、数多くの市民ボランティアに参画をしていただいております。言うまでもなく、まちづくりの主役は市民であり、今後とも市民の参加による個性ある、そして文化的なまちづくりの推進に鋭意取り組んでまいりますので、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。