ごみ処理施設
平成12年予算特別委員会
P.41
◆岡崎委員 ありがとうございました。
それでは、次にごみ処理施設建設費についてお尋ねします。1枚めくってください。121ページですが、卵パック1個を焼くと東京ドーム2個分の大気を汚染するそうであります。ダイオキシンを抑える技術として効果がある、また発電ができてチャーがとれるガス化溶融炉はなぜ採用されなかったんでしょうか。
◎弓山環境部長 議員さん仰せのように、ガス化溶融炉と申されますと、今業界でもよく言われます次世代型の焼却炉という種類ではなかろうかと思います。私どももこういった処理の方式技術につきましてはかなり調査研究をいたしました。で、まだ結局のところ、実際に都市ごみ、一般廃棄物を手掛けたという実績が私どもの調査段階ではなかったということがまず1点ございました。しかしながら、各メーカーで競って今技術的に検証をされておる最中でございまして、将来的にはそういったものが普及してくる時代が来るのかなといったような時点で、私どもも次なる施設の建設に取り組んでまいりましたので、まだ技術的にもう少し私どもにとっては懸念するところがございましたので、これは外させてもらったという経緯がございます。それで、九州の方ともう1点東海地区で2つほど建設中、あるいは今試運転に入ったばかりというのがあるように聞いております。ただそれがうまく行っておるかどうかというのは、私はちょっとここでははっきり申し上げかねます、最近余りそういうニュースを聞きませんのでいかがなものかなというところがあるようでございます。
◆岡崎委員 実績ということで25年後をぜひ期待させていただきます。
それでは、発電をされるということで教えてください。
日本全国の807カ所で廃棄物発電を行っていますが、山上委員さんがおっしゃられましたように、塩化水素が80ということで、燃焼排ガスに含まれる塩化水素によるチューブの腐食が問題になりますが、この点の問題解決はいかがお考えでしょうか。
◎大宅環境部主幹 今回計画している高効率発電は、いわゆる蒸気の圧力が40、蒸気の温度が400度、そういった高温高圧の蒸気を使うわけですね。今までは圧力が小さい材質でやっていたということで、最近はそういった高温、高圧に耐えられるような材質が開発されているということでございます。で、他都市の事例からいきますと、今までは寿命は大体5年ぐらいだろうと言われていたんですが、実績等を加味してみればもう少しは延びるというふうには聞いております。
◆岡崎委員 新しい材質ということで安心しました。発電量が6,000キロワットでしたら焼却炉を動かすだけで精一杯で、売電まで回らないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
◎大宅環境部主幹 定格出力6,000キロワットということで、現在計画している場内の使用電力が約4,000キロワットぐらいということで、売電等は大丈夫でございます。
◆岡崎委員 わかりました。少し売電に回せるということで、でしたら一層RDF発電にしたらよかったのではないかと思いますが、RDF発電なら私の計算では4億円ぐらい売電できるのではないかと思います。江田島から運んでくることを思いますとRDFの方がよかったのではないかと思われますが、どうしてこれは採用されなかったんでしょうか。
◎弓山環境部長 RDFによります発電ということで、確かにごみを固形燃料化したものを燃料としてとらえて発電するというのは非常に熱回収からいえば理にかなったいい方法なんですけども、ただ残念ながら、それによりまして燃料化されなかった部分、要するに歩どまりがどこまでいくかということがまず問題になろうかと思います。で、RDFの場合は持ち寄ったごみがすべて燃料化されるわけではございませんでして、陶磁器とかガラス、石、砂、それから特に金属類、どうしても紛れてきますので、そういうものをいかに避けるかと、なかなかいい方法がないようでございまして、そういった面でRDFの製造設備の方も頻繁にメンテナンスを必要とするということもあったようでございます。
それから、何よりもRDFの場合は燃料すなわち発電ということですから、需要と供給のバランスということもございまして、仮に外へ持って出るにしましても、供給先、相手の需要先が見えてこないと、そういう場合にじゃあどうするかということで、先行きがまだわからないという面もございます。
それで結局歩どまりの悪かった部分に戻りますけれども、それはどうするかというと、やはり埋める、あるいは焼却するといった部分がどうしても最後のところには残ってくるということでございますので、私どももRDFをかなり研究したんですけれども、こちらの方もあきらめざるを得なかったということはございます。
◆岡崎委員 わかりました。このことはいいです。
それでは、発電で使った蒸気を労災病院で使うとかいった排エネルギー利用はされませんのでしょうか。
◎大宅環境部主幹 今のところそういった考えはございません。蒸気はすべて発電の方へ回していきたいと考えております。
◆岡崎委員 ありがとうございます。
それでは活性炭吹きつけコストは大体年間幾らぐらいかかりますでしょうか。
◎大宅環境部主幹 今回計画しておる焼却炉は3炉形式ということで、運転形態が3炉、あるいは2炉というふうに交互になると思うんです。そうすると年間平均して2,000万円ぐらいかなというふうには考えております。