高齢者見守りシール
令和 6年第2回 6月定例会
◆29番(岡崎源太朗議員)
次に、認知症高齢者見守りシールについてお尋ねいたします。
私はいつもバイクで走っておりますので、道に迷っておられる方を見つけることがあります。夜中の2時に、スーツでかばんを持ってバスを待っておられる男性高齢者がおられました。また、女性高齢者が突然、海上自衛隊呉地方総監部に入ろうとしておられたので、声をおかけしました。自宅に帰りたいとおっしゃられておりましたが、この総監部には民家がないので住所をお尋ねいたしますと、分からないとおっしゃられます。自宅の電話番号も家族の連絡先も分からないとおっしゃられます。仕方なく本通2丁目交番にお連れいたしましたら、財布の中から連絡先を書いたメモが出て、ようやく家族と連絡が取れました。総監部から本通2丁目交番まで4回ほど休憩を取らさせてもらいました。
ここで質問いたします。
まず、高齢者の行方不明者の捜索依頼は、昨年、何件ぐらいあったのかお教えください。
◎福祉保健部長(小笠原徹也) 昨年の令和5年の認知症高齢者等の行方不明者の捜索依頼件数については、現時点で呉と広警察署からの発表がありませんのでお答えすることができません。参考情報として、令和4年中に呉と広警察署管内で警察が把握する徘回等による保護者の延べ人数ですが、217人でございました。
◆29番(岡崎源太朗議員) ありがとうございました。呉市は高齢者と接することの多い民間事業者と連携いたしまして、異変のある高齢者等や何らかの支援を必要としておられる高齢者等を早期に発見して必要な支援を行うなど、地域社会全体で高齢者等を見守りすることができる見守りネットワークができました。これによって、道に迷っておられる方を発見する確率は高くなりました。しかし、今は発見しても警察署までお連れしないと連絡先が分からない状況でございます。他市には見守りシールがありまして、見守りシールにあるQRコードを読み取れば、家族に連絡が行く仕組みがございます。見守りシールを靴や帽子やつえに貼っておくことで、その場で御家族に連絡することができます。そこで、呉市では、この高齢者見守りシールの導入について検討したことがあるのかどうか、お尋ねいたします。
◎福祉保健部長(小笠原徹也) 道に迷った認知症高齢者を早期に発見し、安全に自宅に帰っていただくための施策というのは大変重要であると考えておりまして、呉市においても、令和元年に認知症高齢者見守りシールの導入について検討しております。その検討の中では、認知症の人が見守りシールを貼っていることを広く市民に知らせることになってしまうため、その情報を悪用される危険性が問題とされました。また、第三者が歩行している高齢者を見たときに、徘回か散歩かを判別するのは難しいとか、また身につけた見守りシールのQRコードを発見者が個人の携帯で読み取ることに負担を感じるなどの意見があり、それらのことを考慮して導入を見送りした経緯がございます。
呉市の認知症高齢者の見守り支援策としては、見守りネットワーク事業のほかに、行方不明者の捜索に有効なGPSによる位置情報端末機を導入する際の初期費用の助成制度がございます。GPS端末機には定期的な位置情報を通知する機能などがあり、時計タイプや、靴に装着するタイプなど、利用者ごとに携帯する率が高いものが選択できるため、日常の見守り支援については有効であると考えております。今後も認知症の方が住み慣れた自宅で安心して生活をすることができるよう、各種制度の積極的な広報活動に努めてまいります。
◆29番(岡崎源太朗議員) ありがとうございました。呉市見守りネットワークに加えて、GPS、QRコード、赤外線ドローンなどデジタルハイテク技術で、高齢者・障害者が行方不明になっても早期に発見できますよう、さらなる取組をお願いいたします。