南海トラフ地震





令和元年12月一般質問

2.南海トラフ地震について
*** (1)消防署の備え
【質問】天応地区では今年5回自主防災訓練をしました。主に南海トラフ地震対策です。小学生に対しては、家から避難所である天応小学校まで何分かかるか把握してもらいました。たとえばあと4分で津波が来ると放送があったときに、避難場所である天応小学校に向かうか、JRの土手に上がるか自分で頭で判断してもらうためです。
 南海トラフ地震は80%の確率で起こると言われています。地震によって津波が発生した場合、たとえばの例で申しますと、天応吉浦地区の場合、まず一番に被害を受けるのが消防かるか出張所で、その次が隣接する高齢者施設と思われます。吉浦天応の住宅地で被害が出ても後回しになる恐れがあります。
 ここで質問します。津波に対して、消防署はどのような備えをしていますか。

【答弁】 この津波の呉市における最高津波水位は,海抜3.6mと想定されています。
 この想定では,議員ご指摘の西消防署狩留賀出張所は浸水想定区域には入っておりませんが,想定を上回ってくるのが近年の災害でございます。消防局といたしましては,津波に対して,消防活動による直接的な防除が困難であることから,まず,地域住民への確実な広報活動と可能な限りの避難誘導を最優先と考えております。
 これらの活動とともに,職員自身と消防車,救急車,資機材などの安全を確保するため,一時的に高台へ退避し,消防機能の維持に努めることとしております。


*** (2)高齢者施設の備え
【質問】呉市はかるがだけでなく、いくつかの高齢者施設が海岸線にありますが、高齢者施設に津波対策は指導されていますか。

【答弁】◎福祉保健部長(原垣内清治) お尋ねの高齢者施設に限らず、障害者、児童など、災害発生時等に配慮を要する方が利用する施設、事業所では、各事業の関係法令等により、ハザードマップや地域防災計画等を確認し、地震、津波だけでなく、火災、水害、土砂災害等に対処するための非常災害対策計画を策定しなければならないこととされております。この非常災害対策計画は、実際に災害が起こった場合等にも利用者の安全が確保できるものとするため、災害時の連絡先、避難場所、避難経路、避難方法、災害時の人員体制、指揮系統などを定めることとされており、あわせて、計画の実効性を確保するため、避難訓練を実施し、内容を検証することとされております。
 呉市の指導助言につきましては、市が定期的に行う実地指導等において、計画の策定状況や避難訓練の実施状況等を確認し、仮にできていない場合などには、速やかに対処するよう指導しているところでございます。


*** (3)消波ブロックの設置

***    (ア)呉市で危険性のある地区はどこか

【質問】寝たきりの方は2階以上で療養してでおられると思います。一階でお食事中に津波警報が出た場合、いかに車椅子の方をエレベーターで避難させるかが重要であると思います。
 ところで、津波が呉を襲った場合、危険性がある地区はどこですか。

【答弁】 呉市における津波による危険性のある地区についてお答えします。
津波が発生した場合に,市民の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる区域を,「津波災害警戒区域」として,広島県が平成31年3月4日に指定しております。
 この「津波災害警戒区域」は,南海トラフ巨大地震に加え,瀬戸内海の活断層及びプレート内地震による津波で浸水が発生した場合を想定して指定されたものです。
 南海トラフ巨大地震が発生した場合における,呉市の「津波災害警戒区域」は,昭和地区,郷原地区を除く地区の沿岸部で,その面積は,2,412ヘクタールが想定されております。
 現在,こうした「津波災害警戒区域」をまとめた「津波ハザードマップ」の作成を進めており,来年度初めには,各家庭に配布する予定としております。


*** (イ)消波ブロックで海岸線を強化すべきできないか

【質問】大変ご丁寧な答弁ありがとうございます。
 津波高潮対策として、防災の拠点である消防署と高齢者施設を守るためにも施設隣接の海岸に消波ブロックいわゆるテトラポッドを設置すべきと思われますが、設置の可能性について質問します。

【答弁】津波や高潮に対する対策は,防波堤の整備や,護岸の天端高さの嵩上,構造形式などの組み合わせで対応するもので,消波ブロックの設置もその中の一つの方法でございます。
 消波ブロックは波のうちあげ高さを低減し,護岸から越流してくる量を抑える効果があり,護岸背後の利用形態や景観などから,護岸の天端高さを低くする事を目的として設置するものでございます。
 西消防署狩留賀出張所付近の護岸を例に挙げますと,南海トラフ地震で想定されております,最高津波水位より,既設の護岸の天端高さが高いため,津波対策として,消波ブロックの設置の必要性は低い状況でございます。
 いずれにいたしましても,海岸線での津波や高潮の対策としては,全ての箇所に消波ブロックの設置が必要と言う事ではなく,背後地の利用状況を踏まえた上で,想定される水位と護岸の天端高さに応じて,ケースバイケースで検討を行っていく必要がございます。

【提案】最近の言葉で「みぞうゆう・想定外」があります。昨年の災害は想定外でした。想定内だから安心とは言い切れません。災害は避けられませんが、呉市民が命を落とすことが無いよう備えをお願いします。