歴史教科書
平成13年6月定例会
◆(岡崎源太朗議員) 次に、歴史教科書のあり方について質問します。
今まで歴史教科書は、どの教科書もところどころ間違っていて、子供にうそを教えてきた不幸な歴史がありました。今回検定に通った中学歴史教科書は、歴史に非常に忠実で公正な教科書から前回よりさらにでたらめになった教科書まで、8冊が出そろいました。その中で、広島県民を侮辱した教科書があったので、紹介します。
東京書籍の中学歴史教科書の中で、広島原爆についての記述があります。広島が軍都として発達してきたから原爆が落とされたという趣旨ですが、史実は少なく、5ページを割いて子供がだれかから聞いた話を自由研究の形で話を誘導していきます。どこの小学生が、だれから聞いた話かわかりません。全体を普通の子供が読むと、広島県民が悪いから正義の味方アメリカが原爆で成敗したように受け取れます。こんな教科書が日本じゅうに配られたら、広島県民は恥ずかしくて県外に出れなくなりますよ。視察に行っても、「御市の御先祖様は原爆で天罰を受けられたそうですね」と言われますよ。原爆廃絶のため、毎年原水禁と原水協がデモ行進されますが、来年からは「あいつらは犯罪者を擁護する悪い団体だ」と言われますよ。あなたら、これでいいのでしょうか。
1945年5月11日、12日に、原爆投下の目標算定委員会が開かれましたが、原爆投下の基準のして、直径3マイルを超える都市、爆風で損害を与えられること、8月まで通常爆撃をしないことの三つだったそうです。当時、広島より人口が多く、海軍工廠があった呉市に原爆を落とさなかったのは、既に焼け野原になっていたからではないでしょうか。7月3日に、広島通常爆撃禁止命令を出し、広島市の建物を残しておいたのは、明らかに原爆による人体実験が目的で、共産主義者に原爆の力を見せつけるのが目的だったからです。歴史教科書を執筆する人は、歴史の初歩について勉強する必要があります。
次に、小学6年生が使う社会科副教材の中に、「東郷ビール」という項目が出てきます。外国でつくられるビールの肖像に東郷元帥が描かれています。「どうしてフィンランドのビールに東郷元帥の肖像が描かれているのでしょうか」で授業は始まります。当時、世界最強のロシアのバルチック艦隊を破った東郷元帥に、ロシアに押さえつけられてきたフィンランド人は衝撃を受け、1917年ロシアから独立を果たしました。ここで、東郷ビールはフィンランドの独立を記念してつくられたことを教わります。
同じくロシアに押さえつけられてきたトルコのイスタンブールでは、「トウゴウ」という名の道路があります。有色人種が白人に初めて勝利したことで、その後のアジアとアフリカの独立に強く影響しました。アジアとアフリカの独立につながったという面では、猫の本を書いた人よりお札の肖像になるのがふさわしいかと思います。
東欧で国独立の英雄になっている東郷元帥について記述のない歴史教科書が、今回の検定に通りました。ロシアに負けたナポレオンやヒトラーは1ページを割いて掲載してあるのに、ロシアに勝った世界の英雄が歴史教科書に載っていないのは頭をひねります。小学校用の資料に載っている東郷元帥を知らないのでは、教科書執筆者の知識が小学生以下と言わざるを得ません。
ここで質問します。教育委員会はどのような教科書が望ましいと思われるのか、教えてください。
◎学校教育部長(崎本賢次) 私の方からは、2.歴史教科書のあり方について、(1)望ましい教科書のあり方について御答弁をさせていただきます。
議員お尋ねの小中学校の歴史学習で使用する教科書についてでございますが、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」などの定めがございます。その定めを踏まえ、広島県教育委員会の教科用図書採択基準に従い、学習指導要領に基づいて、呉市の実情に即するように考慮いたしまして、呉市教科用図書の採択に関する規程の第2条に従い、教科書の採択を進めるものでございます。
このたび採択する教科書は、来年度から全面実施される新しい学習指導要領に沿って編集されており、望ましい教科書は、この新しい学習指導要領の趣旨を最も適切に生かした教科書であると考えております。学校週5日制を見据え、基礎的、基本的な内容の確実な定着が図られる工夫がなされている適正かつ公正な教科書が採択されるものと思っております。
◆(岡崎源太朗議員) 次に、歴史教科書でございます。
歴史教科書を読まずに歴史教科書を批判した外務大臣がいました。疲れたからと公務を放棄しました。ことしの教育委員会は外務省より過酷な仕事になるかもわかりません。教科書は子供の一生に影響します。プロフェッショナルに徹し、あらゆる圧力をはねのけ、疲れを吹き飛ばし、正しい教科書を採択していただきたいと思います。これも要望です。
平成13年3月予算特別委員会
◆岡崎委員 教育費について質問します。済みませんが、少し長くなります。
私を含め日本各地で議員が教科書問題の公的質問をしたことが、国際問題に発展しました。教科書問題の根本は、侵略だったかどうかという問題です。ここで開戦前の御前会議で永野海軍軍令部総長が発言した言葉を引用します。
「アメリカの主張に屈服すれば亡国必至とのことであったが、戦うもまた亡国であるかもしれない。すなわち戦わざれば亡国必至、戦うもまた亡国を免れぬとすれば、戦わずして亡国にゆだねるは、身も心も民族永遠の亡国であるが、戦って護国の精神に徹するならば、たとい戦い勝たずとも祖国護持の精神が残り、我等の子孫は必ず再起三起するであろう。」つまり経済封鎖で座して餓死するより、戦って殺される道を選んだんです。これが侵略戦争だったと言えるのでしょうか。絶対に勝てない相手でも正義のために命を惜しまないのが大和魂です。かつての日本人は正義のために命を捧げる精神があった歴史を伝えるべきではないでしょうか。うそを書いた教科書を採択されるのか、正義のために命を捧げてきた先人の美しい伝統を伝える真実の歴史教科書のどちらを採択されるのか、お尋ねします。
◎小谷指導課長 教科用図書の採択におきましては、私どもは、学習指導要領の趣旨に沿ったこと、さらには呉市の実態に応じた状況でしっかり検討してまいりたいというふうに思っておりますので、御理解のほどよろしくお願いします。
◆岡崎委員 正しい歴史を知らないと、歴史の過ちを繰り返してしまいます。歴史に残る過ちをされませんようにお願い申し上げます。
ここで残念なのは、逆に中国の教科書、高級中学課本の疑問をだれ一人言い返せないことです。世界じゅうがにせものだと指摘する田中上奏文をなぜ中国の歴史教科書が掲載し続けるのかということです。ガツンと言える日本人をつくるためにも、正しい教科書の採択をお願いします。要望です。
平成12年12月代表質問
◆(岡崎源太朗議員) 私は岡崎源太朗でございます。誠心会を代表して質問させてもらいます。今日本丸は21世紀に向け景気回復と財政構造改革のはざまで大変難しい局面を迎えているわけでございます。今後の教育のあり方、防衛の問題、高齢化を迎えた福祉の問題、大きな曲がり角に来ているわけでございます。
まず最初に、教育について今回一石を投じてみたいと思いますので、当局のお考えを答えてください。
文部省と中学で大変重要である親の問題、社会とのつながりを重視して道徳教育を35時間枠入れしたと聞いております。まず歴史教科書の採択について質問いたします。
呉市の中学歴史教科書は大阪書籍を使っています。この教科書には多くの疑問点があります。疑問点を幾つか紹介します。歴史教科書9ページの挿絵にサルとヒトの絵がかいてあり、「ヒトの先祖がサルだ」と書いてあります。パネルで説明させてもらいます。(パネルを示す)パネルで説明するところが国会の予算審議のようでありますが、これは「人類の進化」といわれる図をもとにしたと思われますが、図のもとの始まりの部分は、サルではなく、アルファール猿人と言われる類人猿です。サルではありません。ここから人になる道とサルになる道に分かれました。それぞれ違う道を進化してきたので、もしサルがヒトになるためには400万年進化を後戻りして、このアルファール猿人まで戻らないとヒトになる道を進むことができません。進化は逆戻りできないので、これは不可能です。つまり、ヒトとサルは遠い親戚ではありますが先祖ではありません。これから数千万年後、サルが進化して新聞を読むようになって、人間は環境ホルモンにより中枢神経がやられ、立場が逆転しているかもわかりません。これでもサルはサル、ヒトはヒトなんです。サルは木から下りてもサルなんです。解剖学的に言うとサルとヒトは48カ所が違うそうです。解剖学的と生物学的に教科書の記述に疑問が出ます。心を持つヒトをサルと一緒にしてしまう間違った教育が、ヒトの心の痛みを考えなくなり、いじめや殺人を生んできたのではないでしょうか。
48ページに、都に献上品を運ぶ農民のことが書いてあります。「運脚夫とされた農民には往復の食糧さえ支給されませんでした。そのため、都に荷物を運んだ後、飢えや病気で家へ帰り着けない者も多くいました」と書いてあります。これは「続日本紀」に書かれている文章をもとにしたものですが、実際の文章は「都から帰る途中、食糧不足で行き倒れがあると伝えられる。国司らは、そうした場合には程度に応じて援助し、介護するように」となっています。国が農民の食事の世話まで配慮した通達文の一部分だけを取り出し、意味を逆転し、国が農民を使い捨てしたように書いてあります。
文章というのは一つの固まりなんです。一部分だけ取り出すと意味を成さないんです。こんな当たり前のことが、書いた人も、それを選ぶ人もわからないのでしょうか。電話セールスを断るとき、「うちはいいです」と言った途端教材が送られてくることがあります。「いい」と言ったじゃないかというのが理由だそうです。この話と教科書の記述は同類項ではないでしょうか。
これ以降明治時代までは、税金に苦しめられたことと百姓一揆のオンパレードです。平安な時代で浮世絵や神楽が栄えた江戸時代でさえ「大がかりな一揆があった」と書いてあります。このころの一揆は、食べ物がないからというより、米の買い占めに反発する住民運動的意味が多かったようです。しかし、この教科書を読むと、とにかく税金に苦しめられ、切れてクーデターを起こせと教えています。テロリストを目指したり、爆弾をつくる少年が生まれるのは教科書の影響ではないでしょうか。
次に、江戸幕府から明治政府に移るとき大きな戦争はありませんでした。普通なら国じゅう丸焼けになる戦争と何百万人の粛正、国外への難民の脱出、ゲリラとの戦いが普通です。大政奉還は教科書でたった7行しか取り上げていませんが、現職公務員が反乱を起こした大塩平八郎は15行写真付きです。武力でなく話し合いで解決する日本的やり方は駄目なのでしょうか。何でも空爆で解決する国がありますが、だれも傷つけないように自分を殺して非難に耐え続ける日本こそ真の侍ではないでしょうか。教科書は対立と闘争の歴史を教えることより、忍耐が最後には勝利者になってきた歴史を教えるべきではないでしょうか。
次は、南京大虐殺についてであります。
あさって12月13日は南京攻略の記念日です。252ページから253ページに、「南京では占領後に20万人と言われる民衆を虐殺し……」と書いてあります。同じページの違うところでは、なぜか数字が30万人となっています。当時、アメリカ、イギリス、ドイツ、デンマーク人の15人で構成し、南京市民の安全を守る「南京安全区国際委員会」というものがありました。南京安全区国際委員会が日本大使館、その他アメリカ、ドイツ、イギリス大使館にあてた61の公文書、これは最も信頼できる第1級資料です。この中に人口問題に触れたところがあります。食糧を供与をするための報告書だから正確です。12月27日には20万人と記載していたのが、3週間後の1月14日になると、5万人増加して25万人となっています。南京の治安が急速に回復し、近隣に避難していた市民が帰還し始めた証拠です。この事実と教科書の話を総合すると、20万人しかいない南京市民を30万人虐殺し、残りが25万人になるわけです。ゾンビというかキョンシーまで殺したんでしょうか。昭和13年元旦には、難民区に大量の食糧を運び、紅卍字会支部長の陳漢林総代長から受領書と感謝状をいただいております。(資料を示す)ちなみにこれです。南京市民は爆竹を上げ、各戸に日の丸の旗を挙げて歓迎したそうです。30万人殺した殺人鬼に対して、生き残った人間に食糧を配った程度で感謝状を出すでしょうか。
これは、昭和12年12月20日の東京朝日新聞社紙です。これは先ほど言いました、周りに避難していた市民が南京に帰ってくる様子を写した写真です。護衛の日本兵の姿さえ見えません。虐殺が行われているところに、わざわざ荷物を持って帰ってくるのでしょうか。
これは、12月25日の新聞写真です。兵隊さんがおもちゃを拾ってきて、中国の子供と遊んでいるところです。呉市の3分の1の面積しかない南京城で30万人が殺されたのなら、町じゅう死体だらけで、死体の上で遊んでいるはずです。臭くて気持ち悪くてとても遊べないでしょう。
これは、日本兵が子供にお菓子を配っているいるところです。自分の食糧を削ってでも子供の笑顔を見たいのは、日本人も同じなんです。学校によっては、南京の子供は日本兵に銃剣で刺され火で焼かれたと教えていますが、この写真を見る限りでは、胸に穴が開いた子供とか頭が焦げた子はいません。
これは、12月30日の新聞写真です。写真説明に、「さあおっぱいが足らなきゃミルクをおあがり──ひげの隊長温情」と書いてあります。子供を抱えていたら機関銃の音がしたり、悲鳴が聞こえたら靴を履くのも忘れて逃げるのが普通ではないでしょうか。この奥さんの笑顔を見ていると、日本兵はこの人たちのために戦ってきたんだなということが伝わってきます。
最後です。これは、南京自治委員会ができて万歳しているときの新聞写真です。虐殺が行われているところで、自治委員会はおかしいのではないでしょうか。30万人どころか100人殺されただけで、この人たちはチベットに逃げていたと思います。
当時世界じゅうから150人の新聞記者が南京で取材したそうです。その目を盗んで30万人虐殺するのは技術的に無理があります。大体20万人のまちでどうやって30万人殺すことができるのでしょうか。このことからも、教科書の記述の信憑性が疑われます。
このように、多くの疑問点を抱えた教科書を呉市が採択したのは、教科用図書研究会の推薦が原因です。教科用図書研究会の委員が公正で教科書を選ぶ能力があったかどうかが疑問です。
ここでお尋ねします。
教科用図書研究会の委員はどのような構成で、何日審議したか教えてください。
◎教育長(森功) ただいまいろいろと今日的課題について御提言ありがとうございました。私は1番の(1)についてお尋ねの部分について御答弁させていただきます。
教科用図書研究会の構成と審議についてでございますが、まず構成につきましては、「呉市教科用図書の採択に関する規程」に基づいて、会長及び各教科の部会長を校長の中から、委員を校長、教頭、教諭の中からそれぞれ委嘱し、選定について諮問しておるところでございます。
次に、審議につきましては、広島県の選定資料等が提供され、呉市教育委員会教育長に答申する1カ月間に4回程度行われ、選定に関しては、担当指導主事が指導・助言を行っております。また、数人の限られた教員が選定するのではなく、呉市のすべての教員がそれぞれの学校で、文部省の検定を通った教科用図書の見本本の回覧中に何度も研修を重ねております。その成果をもとに、さらに各校長が各教科から1名の委員を推薦し、教科用図書研究会を構成しております。そして、教育長がこれに委嘱して、教科用図書選定の研究を深めておるところでございます。
◆(岡崎源太朗議員) では、教科書についてお尋ねします。
「1足す1が3」という算数の教科書があったら採択するでしょうか。「あなたたちのおじいちゃんや先祖がアジアで人さらいや人殺しをしてきた」と教えられて、親を尊敬し先祖を崇拝することができるでしょうか。教科書を売るためには週刊誌まがいのうそを書きつづり、正義の味方を演ずるために英霊を殺人鬼に仕立て上げる教師の行動は、中世の魔女狩りに似たところがあります。教科書は国が420億円出します。ただだから教科用図書研究会の委員は、スキャンダルを暴くような書き方の教科書を選ぶのではないでしょうか。疑問だらけの教科書が推薦された場合、今後呉市教育委員会は慣例どおり追認するのか、それとも反論するかにかかっていると思います。国によってとらえ方は違いますが、歴史事実は一つです。すべてがあからさまになるとき、うそを教えてきたことを永遠に悔いるでしょう。
ここで質問します。本年同様、疑問だらけの教科書が推薦された場合、呉市教育委員会は今までどおり追認なさるおつもりなのか、それとも勇気をもって採択権を行使なさるのか、お答えください。
先ほど御答弁いただいたように、教科用図書研究会委員は学校の教員で構成されています。忙しい先生方に無報酬で教科書を審議させるシステムに無理があるのではないでしょうか。他町のように有識者による審議方法にかえるべきではないでしょうか。呉市だけの特殊な採択制度そのものを根本から見直していく考えはないのか、質問します。
◎教育長(森功) 先ほど教科用図書については、主として選定過程について御答弁いたしましたけれども、教科用図書の採択に当たりましては、学習指導要領に基づき、当然文部省の検定を受けたものということでございますが、慎重に審議をし、教育委員会が主体性をもって教科用図書を決定するつもりでございますので、よろしくお願いいたします。
◆(岡崎源太朗議員) 教科用図書研究会の構成員の氏名は公表していません。恐らく教科書出版業者からの買収を恐れてのことだと思います。市役所にしろ県庁にしろ、職員の名前は通路に張り出しております。市職員は誘惑に負けない強い意思と公のための生きる倫理があることと、市民からの絶大な信頼があるからできることだと思います。学校の先生には倫理はないのでしょうか。私は学校の先生は聖職者で正しい人だと思っています。教育委員会が学校の先生を信頼しておられるのなら、氏名を公表しても何ら問題ないとは思われますが、いかがでしょうかお答えください。
以上です。
◎教育長(森功) 選定の過程におけるその構成メンバー、その時点では、いろいろと問題がございまして、規程の中で言えないのであります。議員さんがおっしゃったこと、そんな理由ではございません、あしからず。