中学生の職場体験
平成27年9月一般質問
***4、中学生の職場体験について
***(1)現状
最後に中学生の職場体験について質問します。
現状と成果及び課題はどうですか。
答弁 中学生の職場体験の必要性は,生徒が働く人と直接接することにより,また,実際的な知識や技術・技能に触れることを通して,学ぶことの意義や働くことの意義を理解し,生きることの尊さを実感させることにあります。
呉市では,平成17年度に文部科学省から示された「中学校 職場体験ガイド」にのっとり,平成19年度から,全ての中学校2年生を対象に5日間の職場体験を実施しております。今年度も市内の全ての中学校2年生1,908名が,8月20日から26日までの,土曜日日曜日を除く5日間,593か所の事業所において実施いたしました。
職場体験の成果といたしまして,生徒アンケートで,「自分たちのまわりで,いろいろな人たちが一生懸命働いていると思います。」とか「働いている人は,仕事を通して世の中の役に立っていると思います。」との質問に対して,多くの生徒が肯定的に評価をしています。さらに生徒からは「この5日間で,仕事は大変な部分もあるけれど,楽しさややりがいがあり,自分自身を成長させてくれるものだと気がついた。」という感想もございます。
なお,課題といたしましては,職場体験において,指示されたことはできるが,積極的に質問したり自分から進んでやってみたりしようとする姿勢が十分でない傾向が一部の生徒に見られることがございますので,今後とも職場体験がより主体的なものとなるよう,指導の充実を図ってまいります
***(2)5日間の必要性
質問 5日間は長すぎるのではないでしょうか。
受け入れ先と中学生本人に聞きました。初日は初めてなので緊張していますが、中学生は偉いので、翌日からは慣れて、要領よく手を抜こうとします。3日以降は惰性になります。受け入れ先も大変です。結構気を使います。私はPTA役員時代に受け入れ先を探すのに走り回った経験があります。「2日ぐらいならいいが、3日以上は」とよく言われました。
2日でほぼ目的は達成するのではないでしょうか。
答弁 文部科学省は,中学校学習指導要領で,職場体験について,その教育的な意義が一層深まるとともに,高い教育効果が期待されることなどから,学校の実態や生徒の発達の段階を考慮しつつ,5日間程度にわたって行われることが望まれると解説しています。
この5日間の職場体験を通して,緊張の1日目,仕事を覚える2日目,仕事に慣れる3日目,仕事を創意工夫する4日目,感動の5日目という,人とふれあう時間の長さが生徒一人一人の心に変容を与えています。
例えば,職場体験を実施した後,生徒からは,「この5日間で自分のよい面を何点か見つけることができ,自分自身をレベルアップさせることができた。今の自分なら,どんなことがあっても乗り越えられる。」という声を聞いています。
また,保護者からは,「1日目に比べて5日間ではできることが多くなっており,自分でもできることがあるんだと自信につながったと思う。」との感想や受入側の事業所からは,「3日やれば仕事の楽しさがわかる。5日やれば本当の仕事の大切さや厳しさがわかるよ。」という詰も伺っています。
以上のことから,、生徒の心に残る体験とするためには,5日間の期間が必要であると考えております。
***(3)福祉施設の職場体験
質問 5日間ではなく、前半後半に分けて、前半2日は一般の職場体験して、後半の2日は福祉施設を体験してはどうでしょうか。町を歩いているとズボンのチャックを下げたまま歩いている男性の高齢者を見かけることがあります。児童生徒はそれを見て笑います。でも福祉施設を体験するとチャックをあげるだけの動作が高齢者にとってはどんなに大変な作業かが理解できます。
今日9月10日は世界自殺予防デーです。自殺のニュースを聞くと、なぜ五体満足なのに自殺するのかと考えてしまいます。さらし者にするわけではありませんが、障害者の福祉施設に一日だけでも来てください。利用者さんは障害を負いながらも毎日喜んで生きています。病気を併発することがあるので、長く生きられないこともあります。ご飯をうまく飲み込めずに鼻から出てくることもあります。海に一緒につかると蹴られることがあります。海につかるだけがあまりにもうれしいからです。うれしさの表現です。
職場体験の趣旨からはすこし離れるかもしれません。しかし、福祉施設での体験はいじめと自殺を防ぎ、人生の生き方を変える事になるかもしれません。
後半福祉施設の職場体験ができないか質問します。
答弁 例年,職場体験学習においては,福祉施設での職場体験も実施しております。今年度は19校,155名の生徒が51の事業所で体験しました。
福祉施設での職場体験をする中で,高齢者や障害者に対する理解が深まり,自分の生き方について学んだ生徒も多くいます。
中学校2年生の職場体験については,今後も,先ほどご答弁したように,生徒の心に残る体験とするためには,市内一斉に同一事業所で5日間実施してまいります。
***要望
質問 中学2年生、14歳の時に前頭葉と海馬が発達して、神を受け入れるようになります。善と悪がわかり、ここから悪の道とボランティアの道に分かれます。中二ギャップと言われます。この一番大事なときに、人生経験豊かな高齢者と障害者に触れて優しい心を持つことは個人にとっても社会にとっても有益なことであると考えます。
子供を育てる環境を育てていただきますようお願い申し上げます。
質問は以上です。ご静聴ご声援ありがとうございました。