使い切り予算
平成20年12月定例会
使い切り予算
◆21番(岡崎源太朗議員)
次に、使い切り予算についてお尋ねします。
公務員は予算を使い切る職員が優秀とされる風潮があります。呉市の職員皆様がそのような考えでおられるとは思えませんが、鳥取県で予算を使い切らなくていいという方針を出しますと、170億円浮いたそうであります。約500億円の税収の県でありますから、税収の3分の1が浮いたことになります。呉市で実施すると、税収の3分の1の100億円の余剰金を出すことができると思いますが、使い切り予算の廃止について取り組む考えがないかお尋ねします。
◎市長(小村和年) 8点の御質問がありましたけれども、私は3番目の予算の執行について、使い切り予算ということについてお答えをさせていただきます。
議員の御案内のように、呉市は昨年度財政集中改革宣言を行うとともに、本年3月には財政集中改革プログラムを策定をいたしまして、財政健全化に向け着実な実施を図っておるところでございます。このような状況の中で、議員からの、厳しい財政状況の折、目的を果たした予算残額は使わずに残すべきであるという御提案、御提言につきましては、私も全く同感でございます。
呉市におきましては、従来から委託業務や工事請負費等入札で生じた残額など、その目的を達成したものについては、使い切ることなく残しておくということとしております。ただし、市民生活に直結した道路、河川等維持補修費など、安心・安全にかかわるものにつきましては、これは限られた予算の中でございまして、私も十分に予算措置が難しいなという分野でございますので、これは使い切ると、補修その他にはきちっとこれはやっていくということを前提に予算執行をしておるところでございます。
また、経常経費につきましては、19年度から、私、前から思っておったんですけどもインセンティブ方式ということで、予算執行の段階でいろいろ創意工夫をして歳出の削減を図った場合には、その効果額の一定割合を次の予算編成のときに上乗せをするという仕組みにしております。そういうことによりまして、予算を使い切ることなく効率的な予算執行に努めておるところでございます。
私も、行政の仕事を長くやってまいりました。若いころには、いかにして大蔵省に行って予算をしっかり取ってくるか、定員を確保するか、それが優秀な職員だという評価でありました。今、本当にそうじゃなくて、いかに少ない人数で、いかに少ない予算で、ちゃんとした市民サービスができるかということが、これが優秀な職員だと、こういう理念を変えて予算の執行あるいは人事管理をしていきたいと、こう思っております。どうか御指導のほどよろしくお願いします。
以上でございます。
◆21番(岡崎源太朗議員)
使い切り予算について、ここで単年度予算で締めるところに無理があるのではないでしょうか。例えば、部署によっては複数年度という考えはできないでしょうか。観点を変えて質問します。
◎財務部長(礒本勝) 使い切り予算について、単年度予算で締めるところに無理があるのではないかとの御質問でございます。
議員御承知のとおり、地方公共団体の会計年度は、地方自治法第208条の規定により毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わるとされております。単年度の予算措置で完結できない事業につきましては、複数年度で予算執行できる制度として、継続費、繰越明許費及び債務負担行為などがございます。いずれも、あらかじめ予算に定めることが必要でございます。したがいまして、通常の予算につきましては、複数年度での執行はできない仕組みとなっております。なお、当該年度に何らかの事情で執行できなかったものにつきましては、翌年度改めて予算措置しているところでございます。
以上でございます。
平成20年予算委員会 P159 財政管理費
使い切り予算
質問 公務員は予算を使い切る職員が優秀とされる風潮がある。鳥取県で予算を使い切らなくていいという方針を出すと、170億円浮いたそうだ。500億円の税収の県だから、税収の1/3が浮いたことになる。
呉市で実施すると、100億円の余剰金を出すことが出来ると思うがどうか。
答弁 市役所の職員の中に予算は使い切るものだと認識しているとは思えない。創意工夫する中で収入の増、経費の削減をしたときはその何割かが翌々年度の枠配分に上乗せされるというインセンティブ方式を導入したので、この趣旨を徹底させ予算は決して使い切るものではないという認識をさらに深めていく。
※前年度の予算・決算が次年度に反映されるという日本全体の制度が間違っています。